以下はクリス・ファーガソンの「Starting from zero」を翻訳したものです。
「ゼロからのスタート」 by クリス・ファーガソン
フルティルトポーカーでの実験を始めてもうすぐ1年です。元手$0から$10,000のバンクロールに増やそうとしています。元手がゼロなので、フリーロールから始めるしか選択肢がありませんでした。最初の頃、$1や$2を勝つことがありましたが、すぐに破産してしまって、また最初から始めないといけませんでした。少し時間がかかりましたが、暫くした後、実際にバイインが必要なゲームをすることができるようになりました。
今でも、私がフルティルトポーカーのスモールステークスのゲームに座っていると、他のプレイヤーは信じてくれません。スモールステークスで何をしているのか聞かれます。そして、よく彼らがどうやって$5を$500に、または$100を$1,000まで増やしたかを語ってくれます。ほとんどの場合、そのような事を教えてくれる人は、最終的には破産しているようです。別に驚くことではありません。何故なら、彼等はギャンブルして早くバンクロールを増やそうとしたからです。彼等は自分たちのバンクロールを超えたゲームでプレイして、たまたま勝ったら更に高いリミットに上がり、再度全てを危険にさらしてしまいます。必然的に彼等はいくつかの大きなハンドで負けて、破産します。
私にとって、この実験はお金ではありません。これは適切なバンクロール管理で、ゼロからどうやってビッグゲームをプレイできる地点まで達するかを証明するためにしています。私は可能なのを知っています。何故なら私は以前に$1から$20,000まで増やしたことがあるからです。
バンクロールに致命的なダメージを受けない様にするために、いくつかの重要なルールを採用しました。
- 全バンクロールの5%以上が必要となるキャッシュゲームやシット&ゴーにバイインしない(低いリミットは例外:バイイン$2.50以下のゲームは、バンクロールがなくてもプレイ可能)。
- 全バンクロールの2%以上が必要となるマルチテーブルトーナメントにバイインしない(バイイン$1のマルチテーブルトーナメントはプレイ可能)。
- ノーリミットやポットリミットキャッシュゲームのセッション中に、自分のテーブルのお金が全バンクロールの10%を超えた場合は、次のブラインドが回ってきた時に退席する。
多くのプレイヤーはこれらのルールを守ることで、うまくいくと思います。このバンクロール管理の素晴らしい点は、自分の予算にあったゲームを確実にプレイできることです。自分の許容範囲を超えるゲームはプレイできません。何故なら、負けている時はより小さいリミットのゲームをするしかないからです。低いリミットで自分のゲームを改善しつつ、十分なバンクロールを蓄えてから上のリミットで勝負することができます。またこれらのルールで、運が悪い時にバンクロールを壊滅状態にすることを防ぎます。
低いリミットに落としてプレイすることは多くのプレイヤーにとって難しいことです。低いリミットでプレイすることを失敗だと考えて、プライドが邪魔をします。ほとんどのプレイヤーは今プレイしているレベルに留まり、負けを取り返そうとします。しかし、これは時に非常に危険なティルトに陥ることになり、バンクロールを一気に使い切ってしまう可能性があります。
私もリミットを落とすのが難しいことを、$1から$20,000に増やすのを試していた時に経験しました。$25/$50ゲームを最初にプレイした時に、私は負けました。自分のルールを守って、$10/$25ゲームにリミットを落としました。そこでも負けが続き、$5/$10に落とさなくてはいけませんでした。これは非常に辛かったです。$25/$50をプレイした後では、$5/$10ゲームは退屈に思えました。
しかし、私は踏ん張って自分のルールを守り、また低いレベルで良いプレイをするようにしました。本当にもうあれ以上負けたくなかったです。何故なら、どうなるか結果が見えていたからです。更に低いリミットでプレイしなくてはいけなくなり、元の状態に戻るためにより一層プレイしなければならなかったでしょう。それには1ヶ月ぐらい時間がかかってしまいます。もし低いリミットでプレイしていて退屈になったり、イライラしているなら、恐らく良いプレイはしていないでしょう。ゲームを止めて、休憩してみてください。いったんゲームから離れることで、またゲームに戻った時に、新しい気持ちでゲームに向かえ、やる気を高めることができます。
バンクロール管理に関して、更にシェアしたいコツがいくつかあります。最初に、たまたまその日のゲームが勝てそうに見えたとしても、自分のバンクロールの許容範囲を超えているゲームをプレイしないことです。バンクロールを破産させるリスクを負うだけの価値は決してありません。他のポイントは、低いリミットで利益を確定できる時に、自分のバンクロールの許容範囲の上限にあたるゲームでプレイしないことです。
これらの理にかなったバンクロール管理ルールを守ることで、私は$10,000の目標を達成できると信じています。またこれらのルールは、貴方のポーカーの目標を達成するのに役立はずです。
感想: バンクロールに関してのアドバイスをポーカー本やネットの記事で読んできましたが、ファーガソンのアドバイスが一番分かり易く、説得力がありました。またわざわざ自分で実際に試しているところが凄いなあと感心しました。
関連エントリー:
フルティルトポーカーのウェブサイトに「Tips from The Pros」という箇所があり、Team Full Tiltプロが書いたポーカーのコツが英語で公開されているので、良さそうなものを翻訳していきます。
まずは、クリス・ファーガソンの「Keep Your Toolbox Well Stocked」です。
「道具箱にしっかり道具を揃えておく」 by クリス・ファーガソン
よく私のプレイスタイルについて訊かれます。その質問に自分で答えるよりは、私の対戦相手がどう言うかに興味があります。色んな事を言われました。「君はタイト過ぎる。」「ルーズ過ぎだよ。」「タイト・アグレッシブだね。」「パッシブ過ぎないか。」
実際には、最後のは言われたことはありませんが、他の全ては言われました。これで私は自分が正しくプレイしているのだと確信しました。ルーズ、タイト、アグレッシブ - 私のスタイルはこれら全てであり、状況によって変化します。
ポーカーで勝つために必要な事の1つは、対戦相手に難しい判断をさせることです。それが、レイズはほとんどの場合コールより良い理由です。何故ならレイズは対戦相手に更に難しい判断を迫ることになるからです。これを更に進めて、対戦相手を彼等のコンフォートゾーンから引きずり出して判断をさせることで、貴方はより稼げることになります
以下がいくつかの例です。
対戦相手が貴方の左にいて、プリフロップで非常にタイトにプレーしています。貴方はこれを利用して、相手を罰するべきです。それを達成する最善の方法は、より頻繁にレイズし、よりアグレッシブになることです。そうなれば貴方がたくさんのブラインドをスティールするか、または相手がプレイを調整するかのどちらかです。
もし貴方がブラインドを取れれば、最高です。相手が調整してきても、状況がよくなります。貴方にとって最高の状態です。もし対戦相手がより多くのハンドをプリフロップで見にくれば、貴方は本当に有利になります。対戦相手がプリフロップのプレイスタイルを変更した場合、相手はハンドでミスをしやすくなるでしょう。通常、非常に強いハンドしかプレイしないプレイヤーは、弱いハンドを持ってターンやリバーでどうすれば良いか分からなくなります。
前にいるタイトな相手がレイズしてきたら、より強いハンドを待ってコールしましょう。対戦相手より後でアクションする時にタイトにプレイすれば、相手の強いハンドに大きく負けることを避けることができます。また対戦相手が調整してきたら、前にいる相手をより多くのハンドでプレイさせるようにしたので、フロップ後に勝つことができます。
非常に多くのハンドをプレイしてくる相手にはどうすればいいのでしょうか?もし貴方が最初にアクションをするなら、通常より良いスターティングハンドでプレイすべきです。マージナルハンドのほとんどの価値は、対戦相手が即座にフォールドすることから生じています。もし対戦相手が好きではないスーテッドカードを見なかったら、貴方のマージナルハンドの価値は下がります。何故なら相手がハンドをフォールドする可能性が少なくなるからです。相手はプリフロップでより多くのポットを勝ち取るかもしれませんが、貴方がより強いハンドでフロップを見に行った時に勝ち取る事が出来るポットで十分埋め合わせできます。
もしルーズな対戦相手が貴方をレイズしてきた場合、コールできます。またはレイズも可能です。普通はコールだけするような弱いハンドでレイズします。ハンドの主導権を得ることで、後でより多くのポットを取ることができます。これも、相手にスタイルを変更するようにし向けているのです。もし相手が変えなければ、貴方が有利な立場になります。変えてくれば、相手は陸に上がった魚のようなもので、ハンドでミスをしやすくなるでしょう。
自分がたくさんの道具を持っていることは重要です。まず、対戦相手よって調整して、相手をコンフォートゾーンから引きずり出すことが出来れば役に立ちます。更に、既に自分がタイト/ルーズなプレイヤーだと識別されている時に、自分のテーブルイメージを利用することが出来ます。
例えば、ガス・ハンセンやフィル・アイビーは極めてアグレッシブなプレイヤーだと知られています。そのイメージを持ったままで彼らが生き残っていられる唯一の理由は、異なる対戦相手にたいして調整し、必要ならば時にはスローダウンするからです。対戦相手が彼等のアグレッシブなプレイにちょうど調整し始める時に、この兆候が時々起こるのを私はたことがあります。彼等はどういうわけか何が起こっているかを感じ取って、自分たちのゲームを変更してきます。時には彼等はあまり変更せず、対戦相手に背伸びをさせ、不慣れなゲームで彼等を負かします。
これを最大限活用するには、注意深く観察することです!テーブルの全てを常に観察します。貴方がハンドをプレイしている時だけではありません。特に貴方がプレイしていない時もです。対戦相手の全てのハンドが、相手がどう考えていて、未来にどんなプレイをする可能性があるのか貴重な情報を与えてくれます。
もしテーブルに上手な人がいたなら、彼のプレイを観察しましょう。彼がどのハンドでプレイして、どのようにプレイするのか観察し、自分のプレイに取り込んでみましょう。彼がどのように弱いプレイヤーをコンフォートゾーンから引きずり出しているのか観察しましょう。注意深く観察することは、学ぶのに最良の方法の1つであり、ポーカーの食物連鎖で上に登るための素晴らしい方法です。
感想: プレイスタイルを状況にあわせて変化できるのが、本当に強いプレイヤーだと思います。周りが変わっているのに、状況に合わないことをやっても勝てません。僕もタイトにプレーするだけなので(低レートなのでタイトアグレッシブが通用しやすいという理由もありますが)、大変参考になるアドバイスです。
また相手をコンフォートゾーンから引きずり出すというのも大切な考え方ですね。相手を不利な状態にしてから攻めれば、こちらの勝率は上がります。そういう事を考えながらプレイしていると、勝てるセッションが増える気がします。
相手を観察するというのが重要なポイントです。自分のカードだけみて、カードが気に入らなかったらフォールドして、次のカードが来るまでそのハンドで関係ないことをしているようでは、クリス・ファーガソンが言っているレベルまでは到達できないでしょう。
ひゃっほう掲示板を見ていると、ポーカー初心者スレに「相手にフラッシュやストレートなどの役を作られたくない時に打つベットの適正な額がよく分かりません。ポットオッズの計算がよく分からないのです・・・」という質問がありました。
これを考える上の重要なポイントは、ドローハンドを持っている相手に、オッズに合わないベットをコールさせることです。ベット額が大きすぎても、小さすぎても駄目です。ベットが大きすぎれば、コールされないので相手がミスをしたことになりませんし、ベットが小さすぎればオッズに合うコールをされてしまいます。
Harrington on Hold'em Volume 1の344-347ページに、(ターンでの)ドローハンドをプレイする時と対ドローハンドの時の適正ベット額について書いてあります。
フラッシュドローを引けるオッズはターンで4.1:1ですが、
上記2点の理由で、ポットオッズが3:1より少し上であればフラッシュドローでもコールできるとHarringtonは主張しています(もちろん想定できるインプライドオッズによって、この値は調節すべきです)。
逆の立場から考えると、相手がフラッシュドローと読んだ場合は、相手に与えるポットオッズを3:1未満にするベットをすべきということになります。
相手に与えるポットオッズを変更するのは、現在のポットに対する自分のベットの大きさを調整することで可能です。以下が現在のポットに対するベット額と、相手に与えるポットオッズのチャートです。
| ベット額 | 相手に与えるオッズ |
| ポットの2倍 | 3:2 |
| ポット | 2:1 |
| ポットの4分の3 | 7:3 |
| ポットの3分の2 | 5:2 |
| ポットの2分の1 | 3:1 |
| ポットの3分の1 | 4:1 |
| ポットの4分の1 | 5:1 |
相手がフラッシュドローの場合は与えるポットオッズを3分の1未満にしたいので、ベット額をポットの3分の2からポットの4分の3ぐらいすれば、相手がミスをし易いベットが出来るはずです。もちろん、相手がオッズを考えないコーリングステーションならもっとベット額を増やすべきです。
相手がターンでオープン・エンド・ストレートドローを持っている場合だと、ストレートが完成するオッズは38:8 = 4.75:1なので、インプライドオッズを考慮してもポットの半分のベット(与えるオッズは3:1)で、十分だとHarringtonは言ってます。
ショートスタック戦略はノーリミットホールデムのキャッシュゲーム(リングゲーム)で、テーブルに持ち込むバイインを20BBから25BBにしてプレイする方法です。以下は、Ed Millerの Getting Started in Hold'emで説明されているショートスタック戦略をまとめたものです。
ショートスタックだと、通常プリフロップとフロップだけプレイすることになり、ゲームを単純化できて、初心者でも多くのバンクロールを危険にさらすことなく、ノーリミットホールデムをプレイできます。初心者はまずこの戦略でホールデムに慣れてから、ラージスタック(100BB以上)でプレイすることをお勧めします。
以下が要点です。
自分の残りのスタックと最初のレイズ額の比率で、オールインするハンド:
5-to-1以上:AA-QQ、AKs、AK
4-to-1:AA-JJ、AKs、AK
3-to-1:AA-99、AKs-AQs、AK-AQ
2-to-1:どんなハンドでもオールイン
例1)自分のスタックが$60で$20レイズした場合(40-to-20)に、リレイズされたら、どんなハンドでもオールイン。
例2)自分のスタックが$100で、ホールカード99で$20レイズして、リレイズされた場合(80-to-20)は、フォールド。